投資信託の基本的な選び方は分かったのだけど、もっと詳しく投資信託を選ぶ方法はある?
投資信託を選ぶ方法はあるよ。今日は投資信託を選び方(中級編)について説明するね!
前回、投資初心者でも応用可能な投資信託を選び方【初級編】を紹介しました。
初級編は簡単でいいのですが、ちょっと初級編だけでは投資信託を選べないと思った方も多いと思います。
今日はもう少しレベルを上げら投資信託の選び方【中級編】を説明します。
投資信託で資産運用をしたいと思っている方、どんな投資信託を選べばいいのか分からない方、初めて投資信託を買おうと思っている方も、こちらの記事を読めば、自分で希望に沿った投資信託をしっかり選ぶことが出来ます。
その上、この投資信託の選び方【中級編】を習得すると、資産運用をする上で一生使える知識になります。
最後まで読んでいただき、自分で投資信託(以下ファンド又は投信)を選べるようになりましょう。
この記事はこんな人におススメ
①投資信託を始めて購入する人
②投資信託の選び方が分からない人
③どんな投資信託を選べばいいのか分からない人
目次
レポートを使って投資信託を選ぶ!
投資信託の選び方【中級編】を知る前に、前回の投資信託の選び方【初級編】を復習しておきましょう。
投資信託の選び方【初級編】を参考にして、なんとなく欲しい投資信託が決まったら、次の段階へ進んでいこう!
投資信託は月報レポートを見て選ぶ!
しっかり投資信託を選びたい時は、マンスリーレポートを見ていきます。
マンスリーレポートとは投資信託を運用する運用会社が毎月発行している投資家向けのレポートで、運用成績や投資環境運用方針などが記載されている報告書です。
毎月発行されているので、投資環境がどのように変化しているか、ファンドの運用状況がどうなっているか等、タイムリーに確認できます。
マンスリーレポートは、委託会社(運用会社)や証券会社等のホームページに掲載されており、いつでも手軽にチェックできるので、投資信託について調べたいことがある際に目を通してみましょう。
投資信託を選ぶ際にも使えるので、レポートの読み方をマスターしておくといいよ!
マンスリーレポートはどこにある?
マンスリーレポートは、委託会社(運用会社)や証券会社等のホームページに掲載されています。
もしマンスリーレポートの探せない時は、「投資信託の名前 マンスリーレポート」とネット検索するとヒットします。
SBI証券をお使いの方は、投資信託ページを開き、各投資信託銘柄を表示させ、月間レポートをクリックすると表示できます。
楽天証券を利用中の方は、こちらも各投資信託銘柄を表示すると、チャート下にある月次レポートをクリックすると表示できます。
下記の図を参照してマンスリーレオポートを探してみましょう。
投資信託マンスリーレポートの見方
マンスリーレポートの見方を説明します。
マンスリーレポートは、どの投資信託のレポートにも、同じようなことが書いてあるので、一度見方を学んでしまえば、どんな投資信託にも応用できます。
ポイントを押さえてマンスリーレポートを読めるようになりましょう。
では早速最初のページからチェックしていきます。
マンスリーレポート一ページ目でチェックしていくべき項目は8点あります。
一点ずつチェックするポイントを説明します。
①投資信託の名前をチェック
一番最初にチェックする点は、投資信託の名前です。
投資信託名を見るだけで、どんな投資信託なのか、簡単にチェックできます。
例)ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンドを名前で判断してみると…
・ニッセイ…運用会社の名前
・日経225…連動する指標
・インデックスファンド…インデックスファンド
ニッセイという運用会社が作った日経平均株価に連動するインデックスファンドであることが分かる!
インデックスファンドである場合、投資信託名の中に「インデックス」といった表記があったり、「〇〇連動型」という表記があります。
インデックスファンドに「○○連動型」という表記があるのは、インデックス型投資信託は指標に連動するように作られる投資信託だからだよ。例えば日経平均株価に連動するインデックス型投資信託は「日経平均連動型」といった感じで表記されてるよ。
投資信託名を見るだけで、どんな投資信託か大まかに分かるのが理想です。
時々投資信託の名前に、通貨選択型やブルベア型など難しい単語が入っているファンドもありますが、そういった投資信託は、商品の仕組みが複雑なことが多いです。
投資初心者の方はそういった投資信託を選ばず、投資信託の名前を見ただけで、どんな投資信託かを簡単説明できるような投資信託を選びましょう。
②表をチェックー基準価格
次にどの投信のレポートにも掲載されている表をチェックします。
こちらの表は、基準価額が折れ線グラフ②で表示されており、純資産総額が色付き折れ線グラフ③で表示されています。
まずこちらの折れ線グラフ②で基準価格をチェックしていきましょう。
基準価格とは…投資信託の値段のことだよ。投信の多くは1口または1万口当たりの値段のことを指していて、投資信託の取引単位は「口数(くちすう)」で表されているよ!
基準価格は、緩やかな右肩上がりになっている状態が理想です。
経済情勢によって(リーマンショックとかコロナショックなど)、基準価格が下落するのは仕方のないことですが、平常時に緩やかに成長しているかどうかをしっかり確認しましょう。
③表をチェックー純資産総額
色付きの折れ線グラフ③で示される純資産総額とは、『純資産総額』はファンドの大きさを表しています。
投資信託は運用会社によって集められたみなさんのお金を株式や債券などに変えて日々運用しています。
その投資信託が運用している株式や債券を時価で表し合計したのが純資産総額です。
純資産総額は、色がついている部分(又は帯状の折れ線グラフ③)で表示されています。
純資産総額も、基準価格と同じく、緩やかに増えているファンドがいいですね。
時々純資産総額が急激に減っている投資信託を見かけるのですが、純資産総額が急激に変動する理由は2つあります。
まず1つ目は運用している株や債券の時価が変動すること。
そして2つ目は、資金の流出入による変動です。
新たにファンドを購入する人が増えれば、資金が流入して純資産総額は増加するし、解約によって資金が流出すれば減少するということね。
運用している株や債券が値下がりすることは、よくあることなので、そこまで気にしなくてもいいかと思いますが、急激に純資産総額が減少している場合は、投資家が投資信託を解約して出金しているということかもしれません。
急激に純資産総額が減少している場合は、その投資信託に問題があるのかもしれませんので、その点をチェックしましょう。
また最後にこの折れ線グラフの左下に書かれている日程も気にしておきます。
こちらの日にちは、この投資信託が設定された日(誕生した日)です。
あまりに誕生してから日が浅いと、投資信託の運用が安定していなかったりする為、投信設定日を確認し、少なくとも5年以上は経っている投資信託を見つけましょう。
④純資産総額をチェックする
純資産総額とは、『純資産総額』はファンドの大きさを示していると説明しました。
こちらには純資産総額が数字で書かれています。
純資産総額があまりに少ないと、安定的な運用が出来なくなる可能性があります。
また反対に、あまりに純資産総額が大きくなりすぎてしまうと、十分な運用が行いづらくなってしまうという可能性もあります。
適切な純資産総額の大きさ(規模)を誇る投資信託を選びましょう。
長期投資を考えた場合、適切な純資産総額は少なくとも50億円以上は上回りたいところです。
純資産総額が50億以上あるか、簡単にチェックしましょう。
⑤分配金をチェック
分配金とは、その投資信託から、決算日に支払われるお金のことです。
主に株式や債券などの運用によって得た収益の一部が、決算日に分配金として投資家に支払われます。
イメージで言うと、「この投資信託保有してくれてありがとうね。お礼にお小遣い(分配金)渡します!」みたいな感じだね。
投資信託には、この分配金を出すファンドと、分配金を出さないファンドがあります。
分配金は投資信託の純資産総額の中から支払われる為、あまりに分配金が出されてしまうと、支払われる分配金の金額分だけ純資産総額が減少します。
純資産総額が減るという事は、運用に充てる資金自体も減るということであり、運用に充てる金額が少なくなると、その分だけ利益も減ります。
長期で運用をするのであれば、分配金は出ないタイプの投資信託を選び、効率よく資金を増やしていきましょう。
これは複利で運用するメリットと同じことだよ!
⑥騰落率をチェック
騰落率とはある期間の始めと終わりとで価格がどれだけ変化したかをパーセンテージで示しています。
基準価額が一定の期間において何%上昇・下落したかを見ることが出来るので、投資信託の運用実績を確認出来ます。
例えば過去1年の騰落率が30%となっていた場合、1年前の基準価格と今の基準価格を比べると、1年前の基準価格より30%値上がりしているということになるよ。
騰落率は、1週間、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年、3年、5年など、いくつかの期間で見ることができます。
特定の期間だけでなく複数期間の騰落率を比べてみましょう。
騰落率の欄には、投資信託だけでなく、ベンチマークの騰落率も掲載されていることが多いです。
ベンチマークとは、投資信託などが運用の指標としている基準のことで、多くの場合、市場の各種指数(日経平均株価やトピックスなど)が用いられます。
簡単に言うと、投資信託が目標としている指標のことだよ!
ベンチマークの騰落率と、投資信託の騰落率を比べることで、投資信託がベンチマークと比べ良い運用成績を出しているのか、またはベンチマークに負けているのかがチェックできます。
ベンチマークよりも運用成績がいいのか、チェックしておきましょう。
★インデックスファンドの場合は…
インデックス型投資信託の場合は、投資信託の騰落率と、ベンチマーク(連動している指標)の騰落率には、あまり差がありません。インデックファンドは指標と同じような動きをするように作られている為、ベンチマークの騰落率と差があまりないのです。インデックファンドの騰落率がベンチマークの騰落率とほぼ同じということは、しっかり同じ動きをしているということになります。
⑦資産構成をチェック
この投資信託がどんな資産で構成されているかが分かります。
債券系投信に投資したいの株が入っていたら、債券系投資信託ではないことになりますし、日本株に投資したいのに、海外株が構成されていたら、それは世界の株にも投資する投資信託であるということを示していますね。
どんな資産で構成されているのか、自分の希望と相違がないか等、簡単にチェックしておきましょう。
⑧組み入れ上位国・銘柄をチェック
この投資信託に組入れられている上位10国や10銘柄等が書かれています。
投資家から集めた資金が株式や債券などにどのように投資されているのか、通貨や投資先などで分類され、ファンドの状況が示されています。
この「資産構成」は、株式や債券、現金等などの資産の種類の割合を示し、「組入上位10ヵ国・地域」は投資先の国や地域の割合を示しています。
「組入通貨」は投資対象の通貨建ての割合を示していますね。
また主に株式で運用されている投資信託では、「組入上位10業種」「組入上位10銘柄」が示されており、主な投資対象の業種や銘柄の割合が確認できます。
また、組入銘柄数でどれくらいの銘柄に分散投資されているかも分かります。
インデックスファンドの場合は、連動している指標とほぼ同じ銘柄が組み入れられることになります。
組み入れ上位国に外国が含まれている場合は、その国の通貨の為替レートに影響を受けることもになるよ!
まとめ!マンスリーレポート1ページ目で確認すること!
マンスリーレポートを読むだけで、投資信託のおおよその運用状況が理解できます。
マンスリーレポートが読めるようになるだけで、投資信託が選べるようになりますし、適宜何かあった時にレポートを読むことで、自分の資産運用を管理することも出来ます。
マンスリーレポートを読む知識は、大げさに言うと一生ものなのでw、ぜひ覚えてしまいましょう。
マンスリーレポート1ページ目でチェックすべき8つの項目をまとめます。
ポイント
①投資信託の名前に、分からない言葉が入っていないか?
②折れ線グラフで、基準価格が緩やかな右肩上がりになっているか?
③純資産総額が急激に減っていないか?投資信託設定日から5年以上経っているか?
④純資産総額が少なくとも5億以上あるか?
⑤分配金出ていないか?
⑥騰落率はチェックしたか?
⑦資産構成は自分の希望に合っているか?
⑧組み入れ上位国や組み入れ上位銘柄など自分の希望に沿っているか?
主にこの8点を中心にチェックして、ちゃんと条件に当てはまるか消去法で投資信託を選んでいきましょう。
ちょっとした知識だけど、投資信託が自分で選べるようになるよ!
マンスリーレポートは複数ページに渡っており、1ページ目以外でも確認すべき事項があります。
そちらについては、また別の投稿でまとめますので、適宜こちらのブログをチェックしてみてください。
今日は中級編ではありますが、「マンスリーレポートを見て投資信託を選ぶ方法」を紹介しました。
投資信託を探すのは難しいと思っている人も多いかと思いますが、基本を抑えれば、比較的難しくなく自分が欲しい投資信託を見つけられます。
ぜひこの記事を参照して、マンスリーレポートを読んで、自分が欲しい投資信託を見つけましょう。